Wineから生まれた単語たち
こんにちは。
経営者のみゆきさんの英会話インストラクターをさせていただいているずんだまるです。
大好評の語源シリーズ。今回は、ヨーロッパの食文化にかかせないワインが語源となった単語を紹介します。
以前、みゆきさんにワインから派生した単語があることをお話ししたときに、
「へえー、たしかにお酒にも長い歴史と文化があるもんね!」と興味津々でした。
みゆきさんはお酒は飲めないので、ワイン自体よりもワインを取り巻く歴史や、なぜ人々から愛されてきたかに興味があるそうです。
では、ワインという単語の背景から、なにが文化や歴史になっていったのかを学んでいきましょう。
1.酢の語源は、ワイン?
料理でよくつかわれる「お酢」。英語では、“vinegar”です。
この“vinegar”もワインから派生した言葉です。
では、なぜワインから酢が生まれたのでしょうか。
今では一般的な酢としてつかわれている米酢に代表される穀物酢や、ダイエットで流行ったリンゴ酢など、酢にもいろいろな種類があります。
しかし、酢の発祥はぶどう酢だったといわれています。
ワインは、ブドウを発酵させてつくります。ワイン酵母によって発酵する代わりに、酢酸菌と呼ばれる菌によって発酵することでぶどう酢がつくられました。
現代でもそうですが、昔のギリシャでは、お酒もお酢も健康によいと伝えられており、特に病み上がりの人は酢を飲んで体調を回復する文化がありました。
ちなみに、“vinegar”の頭文字は「V」。“wine”の頭文字は「W」。なぜ、違いがあるのでしょうか?
実は、当時使用されていたラテン語には「W」という文字は存在せず、代わりに「V」がつかわれていました。
“wine”も、元は“vine”だったのですね!
これで、“Vinegar”の語源となるのも納得です。
2.ワインのおいしい年数が単語に!
ワインづくりから生まれた単語に、“vintage”というものがあります。
よく「ヴィンテージもののジーンズ」という具合に、年を経て熟成したことをあらわす表現としてつかわれます。
“vintage”は、もともとフランス語で「収穫する」ことをあらわす“vendenge”からきています。さすが、ワインの国フランス。フランスで収穫するといえばブドウになるくらい、ワイン文化が浸透していることがわかります。
“vint”はワイン、“age”は年代を指します。
ブドウは収穫時期によって甘さや酸味が変わるため、その年その年によって味が大きく異なります。
ブドウの収穫時期、年代に関してつかっていた単語がいつしか“vintage”という単語になったそうです。
実は、“vintage”と呼ばれるのは本当に良質なワインが採れた年代のワインのみ。
古ければいいというものではないそうです。
ワインには年代だけでなく、ぶどうの産地や種類、天候、さらには何年熟成させたかなど、たくさんの要素によって味が大きく異なります。
ひとつの要素である「年代」にも単語ができるのは、フランスがいかにワインを愛し、文化として大切に育てていることが大きいのかもしれません。
ワインにもいまだに機械を導入せず、手でぶどうを摘んでいる農家があり、豊作の年も不作の年もワインを愛し、つくり手の想いやこだわりがワインに伝わるから多くの人に愛されるんだなと感じています。
みなさまも、単語の成り立ちや背景、歴史や文化を楽しく勉強してはいかがでしょうか。
では、次回をお楽しみに!