日本人がなにげなくつかっている英単語のなかには、おもしろい語源がいっぱい潜んでいる!
こんにちは!
戸川みゆきさんの英会話インストラクターずんだまるです!
英語を学ぶうえで、一番苦手とするのは、やはり単語を覚えることではないでしょうか?
がんばって丸暗記しようとしても、覚えた端から忘れてしまい、結局身につかなかったという体験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、単語が覚えやすくなるコツとして、みなさまに語源を調べることをご紹介しようと思います。
学生のころ、漢字の成り立ちについて習ったと思います。
漢字ひとつひとつに成り立ちや理由があるように、英単語もなぜそのつづりになったのかという理由が存在します。
単語の成り立ちを知ることで、ただの暗記作業に一工夫!
楽しんで英単語を覚えられるようになるかもしれません。
記念すべき第一回は、みんな大好き(?)お酒の代名詞、「ハイボール」の語源について調べてみました。
ハイボールの語源は、よりお酒を楽しもうとした人のアイデアにあった!?
ハイボールとは、一般的にウイスキーのソーダ割りを指します。
居酒屋さんによっては、レモンやジンジャー、ゆずはちみつなどを加えて飲みやすくしたり、ウイスキーの代わりに焼酎を使って焼酎ハイボール、いわゆるチューハイとして出したりしていることもあります。
一見すると、和製英語のような響きのするハイボール。しかし、れっきとした英語です。
つづりは、“highball”と書きます。
“high”は「高い」。“ball”は、野球やサッカーなどでつかわれる、ボールのこと。いずれもお酒とは関係なさそうに見えます。
では、なぜ「高いボール」がお酒の語源になったのでしょうか。
由来は諸説ありますが、わたしが一番好きなのは、ウイスキーメーカーの大手、デュワーズの二代目がいいはじめたという説です。
ある日、デュワーズは仲間と酒場へウイスキーを飲みに行きました。
みんなでわいわい楽しむことを、英語では
“Have a ball!”
と表現します。仲間と“have a ball”をしたかったデュワーズですが、ひとつ問題が。酒場で用意されたグラスが小さかったのです。
当時は、20世紀初頭。禁酒法直前のアメリカです。次第にアルコール類を入手することが困難になり、ウイスキーが徐々に貴重なものになっていたことも影響したのかもしれません。
しかし、小さいグラスでは、満足にお酒を楽しめない。そこで、デュワーズは店主にこう告げます。
「もっと高い(“high”)グラスに注いでくれ!もっと楽しませてくれ(“have a ball”)!」
ここから、少ないお酒をより楽しむために、ソーダで割ったウイスキーのことをハイボールと呼ぶようになったそうです。
お酒をより楽しむための工夫から、ハイボールは誕生したんですね!
なぜ、「ボール」が楽しいのか?“ball”に隠されたもうひとつの意味とは?
ここで、ひとつ疑問が残ります。
それは、なぜ“have a ball”で、楽しむという意味になるのか?ということです。
別に、ボールをもつだけで楽しいかというと、そうではありません。(スポーツ好きな方は別かもしれませんが)
実は、“ball”という単語には「玉」という意味のほかに、もうひとつ意味があります。
それは、「舞踏会」。
よく社交ダンスのことを、“ballroom dance”といいます。舞踏会で踊るようなダンスだから、社交ダンスなんですね。
舞踏会へ行く人に向けて、“Have a ball.”(ダンスを楽しんでね。)と声をかけたところから転じて、楽しむという表現になりました。
ちなみに、この“ball”という単語。元はラテン語で「踊る」を意味する“ballizein”からきているそうです。
驚くことに、『白鳥の湖』が有名なバレエダンス(英語で“Ballet dance”)も、同じ語源。
たしかに、つづりはそっくりです!
最初はまったく別だと思っていた単語にも、調べてみると思いがけない関係性が見つかるものですね!
英語の世界がますます広がったように感じます!